緑豊かな桜と紅葉の名所
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赤坂山公園

 
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(1)  沿革
 所在地   柏崎市緑区

 総面積   138,029平方メ-トル

 供用開始  昭和五十一年四月一日

この地域は昔下宿と言われて居た地域である、日支事変の最中昭和十四年に約30ヘクタールの山林が伐採された新潟傷痍軍人療養所を国が建設した。 私たち市内の中等学校の生徒が勤労動員された思い出の地である。 戦後国立新潟療養所と名称が変わり、更に近代化が進められ、不用となった土地を厚生省より柏崎市が譲与を受け公園として整備し、現在に至った。 供用開始は昭和五十一年四月一日である。
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(2)規模と特徴 1) 総面積138,029平方メ-トル

2) 赤松、雑木、桜など合わせて壱万本以上ある。又コシノカンアオイなど沢山の山野草・昆虫・きのこ・小鳥・陸産貝類などの宝庫でもある。


▲ 植栽は二次林の赤松を中心に芝生廻りや進入道路沿いの桜や芝生、常緑広葉樹、落葉樹、山野草などが混然一体となり素晴らしい構成となっている。

▲ 公園丘陵地の上部平坦地は南側(国道八号線側)は芝生広場で北側(日本海側)は遊園地広場で桜の頃は昼夜花見客で賑わい、特に沢山のボンボリに映える夜桜は見事である。 又春秋は特に南側の芝生広場で青空日光浴を楽しむ親子連れで一杯だ。

▲ そして南北平坦部の真中が大滝、せせらぎ、池などが春夏秋の夫々の季節に風情を添えている。 又せせらぎに添ってモミジ、アジサイ、シダレザクラなど二十数種に及ぶ四季の花木と山野草が訪れる人の目を楽しませてくれる。

ははそはの母のこのみしたらの木の 太芽かなしも春かえる山   (酒井薫風作)
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その傍らに一本のたらの木が植えられているのは大変心が和む。 故大滝植物友の会会長の手植えと言われている。その奥にカラスノサンショウの大木が付近一帯を威圧するかの様に高く聳え、木肌の美しさが目立っている。 又広場の入り口のバス停前の階段昇り口にはU字型エンドレスと銘を打った超大型の青銅製モニュメントが強い春の陽光(ヒカリ)を浴びて輝いている。

▲ 北側遊園地入り口にも歌碑がある。
 

花うつぎさかりの頃の去年のこと (及川仙石作)
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遊園地から晴れた日は遠く佐渡ケ島、近くは原子力発電所を望み夏祭りには打ち上げ花火が眼下一面に広がり涼風と共に夏の夜の饗宴である。 又一大変貌を遂げた柏崎港、中央海岸一帯と隣接のスポーツ広場なども眼下に見る一大パノラマである。又白亜の巨塔満洲柏崎村が遙か満洲の方角に空高く聳え建ち、故小林治助市長の胸像が市街地を慈愛に満ちた眼差しでじっと見つめている。胸中を去来するものは果たして何があるのでしょうか。

▲ その東側に市立博物館が日本海の夕日を浴びて建っている。 柏崎市の古い時代からの庶民の生活民具を初め郷土の動物、魚貝類、植物類、鉱物類の標本や資料類などが網羅展示され市内外の入場者が絶えない。西方の端にはモダンな展望台が立ち市街地米山佐渡ケ島が一望出来絶景であり子供用遊具も完備されている。

▲ 平成七年九月に訪れる小中高校生にも参考になる様に植物友の会で樹木に名札をつけた。 ミヤマガマズミすいかずら科、シラカシぶな科  他六十二点、詳細は平成七年十一月号会報をご参照下さい。

▲ そして花と緑のボランティアの会員が市の花「山百合」を毎年植え付け素晴らしい花を見せている。

▲ 他にコシノカンアオイ、トキワイカリソウなど豊富な四季を通じて見られる。

▲ 又山谷地流れの自然に恵まれ農薬の影響も少ないことから環境庁指標昆虫のムカシヤンマ及びギフチョウを初め豊富な昆虫類の棲息地でもある。


▲ 又ヌメリイグチ、ハツタケなどのきのこやクサウラベニタケなどの猛毒きのこなど沢山のきのこ類もあり、

▲ キジ、シジュウカラなどの野鳥類も数多い。

▲ ベッコウマイマイなど陸産貝類など数点棲みつき、都市公園としてこれだけ自然がそのまま残されているのは稀らしい。これからも全市民で保存につとめたいものである。 

嘗て故飯塚謙三氏が生涯をかけた築庭と言われるだけに、モミジとドウダンツツジ、滝と流れと岩が混然一体となり醸し出す風情はまさに幽玄境である。
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(3)公園の心 百花春至為誰開
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そして花は人の心にも花を咲かせてくれる。

花いっぱいの心は緑一杯の心でもある。

そしてこれはゴミで山や海や公園を汚さぬ心であり、川をきれいにする心にも通じる。

そしてそれは人間を育てる心である。 赤坂山公園は花いっぱいである。
                

調査担当者(順不同)   佐藤俊男(博物館)、今井道太郎、菅沢重蔵、種岡拓夫、 後藤宣康、高橋群英


写真撮影   後藤宣康