大沢緑地環境保全地域
本地域は柏崎市大沢集落の西方約500メートルの丘陵にある樹林地です。ここには集落に面する海抜100−150メートルの斜面にブナの自然林が成立しています。ブナ林は当県では自然状態で海岸部などを除く丘陵から山地にかけて分布します。しかし、現在みられるブナ林の多くは、海抜がおおむね300−400メートル以上の山地に限られ、特に平野部周辺の丘陵など海抜高の低い地域では大半が二次林や植林などにおきかえられ、ブナの自然林はほとんど残されていません。
この地域の樹林は、県内における垂直分布の下限付近に残存するブナ林として、また丘陵下部の原植生を示すものとして、学術上極めて貴重であるとともに集落周辺の区域にある樹林地として、特に良好な自然環境を維持しています。このような優れた自然環境を保全するため新潟県自然環境保全条例第21条第1項第1号に該当する地域として緑地環境保全地域に指定します。
昭和59年3月30日
登り入り口の案内板 海抜100〜150メートルの斜面に広がるブナの自然林。集落地近くに残る良好な自然環境を維持している樹林地として貴重とある。 柏崎駅より岡野町行きバスで約35分、大沢バス停で下車、バスの進行方向へ10メートル程進んで右折。案内板に従って徒歩15分で登山口案内板にたどり着く。 |
頂上(尾根)までゆっくり歩いて20分。手軽に訪れることのできる自然林である。 |
ブナ林を抜けると広い空。右奥にはピクニックテーブルが待っている。 | 頂上にはピクニックテーブルが用意されている。鳥のさえずりやせみの声を聞きながら、冷たい飲み物を頂きほっと一息。 |
ブナの標識 とても立派な標識がつけられている。ほかに、アオハダ、コシアブラ、アカシデにもこのような写真、または説明絵図つきのしっかりとした標識がつけられている。 |
登って左手に進むと南口出口に通じる。南口の林道出口にもう一つ案内板がある。そこにはこの自然林を形成する樹種の説明がある。 |
ヤママユ 雪で折れたブナの枝にヤママユの抜け殻がついていた。 下草にはコシノカンアオイがイワカガミ、チゴユリの中に多く見える。 春にはギフチョウも舞っていたことだろう。 |
北方すぐ下に見える集落は山室。途中通ってきた252号線沿線にある。 |