鯨波海岸のいさざ漁 |
「いさざ」は、海から川へ産卵のために遡る魚で、水の澄んだ浅い沢を上るため、「さのぼり」とも呼ばれています。
この魚は、白魚に似ていますが、「はぜ科の白魚」で、「いさざ売り」が赤いお椀で一杯いくらと売り歩き、食通を楽しませる庶民の味でした。
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いさざ漁の行われる場所 |
いさざ漁は、花見頃になると岬町、鯨波の海岸で行なわれます。昔からこの季節になる
と老若男女が冷たい海水に膝まで浸りながら「いさざ網」(巾三尺、長さ三尺五寸位の長
方形の網に、弓形の棒を十文字に渡して、取っ手とする四つ手網)を用いて波間のいさざを
すくう漁を楽しんでいました。
岬町には、「いさざ川」という魚の遡る河川もあることから、昔から この漁 が続けら
れ、盛んだったことが偲ばれます。 |
いさざ料理 |
「いさざ料理」は、柏崎が花見の季節を迎える頃になると、海辺の旅館が花見帰りの客を相
手に、この季節料理を提供したことから有名になりました。
近年では、環境が変わり、僅かばかりの水揚げしか期待できず、この魚の淡泊な味覚を
味わうのは特別な感慨があります。
いさざの食べ方は、「おどりぐい」といって、生のままのいさざを醤油味、わさび味で
食べるのが有名ですが、「いさざ飯」といって、ご飯に炊き込んで味わったり、卵とじや
吸い物にもでき、季節の味覚として各種の料理が楽しめます。 |