陽だまりホームページ | 柏崎の情報「陽だまり」 | 米山まいり
遠方から眺める米山大橋 | 米山は、日本海から聳え立つ柏崎のシンボ ルで、昔から薬師如来の信仰と「米山さんか ら雲が出た・・」の三階節や「行こか参らん しょうか米山薬師・・・」の米山甚句などの 唄の魅力で全国的にも知られています。山頂 には、日本三大薬師の一つである米山薬師堂 があります。 米山は、奈良時代の和銅5年(712年) に泰澄大師により開山され、田の神、作の神 などの農業神として、また、病気平癒の神と して、農民を初め、多くの人々の信仰の対象 とされていました。 |
聖ヶ鼻の様子 | 米山の名称の謂れについては、「柏崎市伝 説集」に以下のように記述されています。 『後に米山開山の師と言われた「泰澄」と言 うお坊さんと修業僧「沙弥」が五輪山に居を構 えていました。沙弥は海岸(聖ケ鼻)に出て、 海上を通る船から食べる米を貰って暮らして いました。ある日何時ものように米を積んだ 船を見つけ、「米をくれ」と頼みました。船主は 「お公へ差し上げるもので、一粒も渡せない」 と断りました。すると不思議なことに船に積 んであった米俵が空を飛んで米山の頂上に積 み上げられました。驚いた船主は、泰澄に 「この米がなければ死罪になる」と返してくれ るように頼み込み、そして沙弥にもその不明 を深く詫びました。沙弥は、「僅かな供養を惜 しんだので懲らしめたのだ。米は返してやる 」というと、山の頂上から米俵は鳥が飛ぶよう に船上に戻りました。それ以来五輪山を人々 は「米山」と呼ぶようになった』 |
米山名称のいわれ | 米山薬師への信仰は、「米穀の豊穣」を祈 ることで、参詣の登山者は遠く蒲原、中頚城 、東頚城、三島、刈羽郡などの広い範囲から 集まります。「米山登山」は、6月上旬の山 開きを迎えるとともに、信仰登山、信者の代 参登山(米山講の代参)が始まります。 代参登山は、昔からの慣習で行われ、代参 人は上納米等を持って護摩供修行、方作、家 内安全を祈願し、お札、当帰(米山に自生す る薬草)、清水、土に収め、下山し、それら を各戸に配り、神棚に供え或いは家、田畑に まき、虫よけ、魔除けとしていました。 また、柏崎では、12歳児の初登山には、 「薬師が手を引いてくださる」という伝説が あり、この時期に登山する学童が多いと言わ れています。 |
講中の人々 |
昔から信仰の盛んなこの地域は、「米山講」 といわれる団体が作られています。明治・大 正の最盛期には600以上の「講中(信仰グ ループ)」がありました。講中は、毎年正月 から10月までの間、7日ごとに輪番宿を決 めて、そこで信者は御詠歌や世間話に興じて いました。11月、12月は、アガリ講、シ マイ講といわれ、盛大に行った地域もあった ようです。こうした生活の中で地域との連帯 感を深めてきました。 |
米山薬師堂 |
伝えられている米山講の例として、鹿島の 場合は、毎月7日を講の日とし、宿は講員で 順番に行い、出席者は、その家の戸主で男の 場合が多く、例外的に女性の場合もあったと 記録に残されています。しかし、入講の資格 については問わないという不文律もあったよ うです。 講の日、床の間に米山寺から購入した米山 薬師如来の掛け軸を飾り、御神酒、灯明、供 花、供物を供えます。講は夕食後の8時過ぎ から始まり、十三仏のお念仏を取り合わせて 唱えます。 勤行後、三品位の料理で酒を飲み、雑談に ふけるのが常でした。また、炒豆程度の簡単 な供物を戴き、11時頃に再び勤行を唱えて解 散となります。 普段の講の費用負担は、回り順で宿の負担 としていたようです。 |
米山のお札 |
農事歳時記としても米山は役立っていまし た。春先になると農民は、その残雪の型を耕 作の指標として利用してきました。 米山の雪が消え始め、黒土が鯉の型を表わ すようになるとその鯉の尻尾の大きさで、豊 凶を占いながら春田を始めました。種蒔き男 の雪型が表れると種蒔きや田植えの時期を知 ります。その他、雨乞い、虫除けなどの農業 神の役割も果たしてきました。 |
現在の米山登山の様子 |
米山の一般向けの登山コースは、現在5コ ースが整備されています。 米山駅から出発する大平コース、払川から 出発する野田コース、笠島駅から出発する吉 尾コースの3コースは、ほぼ3時間半の行程 です。また、新猿飛橋から出発する谷根コー ス、米山寺から柿崎コースは3時間の行程で す。いずれも海を眺め、山を望む快適な登山 が楽しめます。 米山は、信仰登山から発達したため、厳し い難行の山といわれています。しかし、遠方 から眺めても美しい山ですが、仲間とともに 各コースを踏破するのも一興かと思います。 |
陽だまりホームページ | 柏崎の情報「陽だまり」 | 米山まいり
作成 柏崎市 NET・陽だまり 連絡はメールでどうぞ