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初夏の柏崎海岸にみられる花  99/05/24 

 五月の中下旬から六月初旬にかけて、柏崎の海岸には色とりどりの植物が咲き競う。砂浜にはハマヒルガオやハマニガナが咲きはじめ、運がよければハマボウフウやカワラヨモギの根に寄生するハマウツボにもお目にかかれる。海岸の岩場にはハマボッスやキリンソウが質素なうちにも気品のある花を咲かせている。
 この時期、米山の山すそが日本海に落ち込むあたり、いわゆる米山海岸にみられる植物を二三紹介してみたい。

オオハナウド(セリ科)   オオハナウド(セリ科)
 米山海岸の国道8号線沿いを車を走らせていると目につく白い花がこのオオハナウドである。旧道を歩いてみると海岸側の斜面を埋めつくすように生えている場所がいたるところにあって、初夏の米山海岸を彩っている。関東以西にみられるハナウドの亜種で、葉裏に短毛が密生しているのが特徴である。ハナウドよりも北の方に分布している。方言でサエキといわれるケナシミヤマシシウドによく似ているが、葉の切れ込みが深いことと花の咲く時期が8〜10月と遅いことで区別される。
オオハナウド(セリ科)   オオハナウド(セリ科)
 オオハナウドの花つきかたは、複散形花序といわれるもので、沢山の花が集まって全体として傘の形をしている。ひとつひとつの花は白く、五枚の花弁からできていて大の字に似ている。花序の外側の花弁は大きく、かつ二つに裂けているのであまり大の字らしくない。柏崎に多いこの植物も小国地方ではまれにしかみられないという。
タニウツギ(スイカズラ科)   タニウツギ(スイカズラ科)
 海岸に限らず山野の日当りのよいところに普通に生えている。ただし日本海側に限って分布する植物で、崩壊地などの急斜面に好んで生えるので米山海岸にも多くみられる。筒型をした濃い桃色の花を枝もたわわにつけて谷を埋めつくし、茎が中空なので谷空木(たにうつぎ)の名がついたという。カジバナ、タウエバナ、イワシバナなど多くの方言があり、生活に深くかかわってきた植物であることを示している。
シャガ(アヤメ科)   シャガ(アヤメ科)
 海岸の花と云うより、人家近くのうす暗い、やや湿った林内に群生している。生育している環境から陰気な感じを与えるが、ひとつひとつの花はうす紫がかった白色で、6枚の花弁状のもの(花被)のうち、外側の3枚(外花被)に淡い青紫色と黄色い模様があって美しい。果実はできない。中国から伝来し、野生化したものといわれている。これよりも小形のヒメシャガは米山や黒姫山に多く、登山道わきによくみられる。
ハマナス(バラ科)   ハマナス(バラ科)
 この地方での自生はめっきり少なくなった。一方、公園や道路わきには盛んに植栽されていてよくお目にかかる。この写真は、みなとまち海浜公園に植栽されているものである。 北方系の植物で、日本海側では島根県、太平洋側では茨城県より北に分布している。花には甘い香りがあって香水の原料にするという。

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日付 1999/5/24 UP
写真撮影: NET・陽だまり 菅沢重蔵
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