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キノコ狩りは秋の風物詩になっているが、キノコは秋だけではない。一年を通して発生する。春、山菜取りに行ってナラタケ(あまんだれ)の群生に出会った人も多いと思う。また公園でツツジの花の時期に、松の古株などに生えている灰色の大きなキノコ(マツオウジ)にお目にかかることもある。夏のブナ林はタマゴタケやイグチの類の宝庫であるし、雪をかぶったヒラタケやエノキタケを採ることもある。梅雨期のこの時期にみかけるいくつかのキノコを紹介してみよう。
(1) キヌガサタケ(その1) 1998.7.8 「今年もそろそろ出そうですよ」と電話があったのは6月19日。去年西山町の伊比藤作さん宅の竹林でキヌガサタケの写真を撮らしてもらった。「来年もお願いします」と頼んでおいたのをご主人が約束を守って下さったのだ。その後、10日以上経つが連絡はない。待ち切れなくて出かけて行って様子を見たり、電話をかけたりする。「明日あたりでは・・」と返事をいただくのだが、いまだに姿をあらわさない。このキノコ、きのこの女王の呼び名がある。簡単に姿をあらわさないわけだ。とりあえず昨年の写真を紹介しておく。 | |
(2) キヌガサタケ(その2) 1998.7.8 キヌガサタケの幼菌は、黒っぽい楕円型をしていて、丸いジャガイモ状である。これが地 表に現われてからキノコの本体を見せるまでには上記のように日数がかかる。ところが幼菌 の表面が裂開して姿を見せはじめると、後は速い。伊比さんの奥様の昨年の測定によると女王のスカート(菌網)は20分で8cmも伸びている。これは図鑑などにも出ている値と一致 する確かな値なのである。このドラマは早朝四時頃から始まる。しかし優雅な姿を見せるこのキノコの女王も半日ほどで崩れて消えてしまう運命にある。美人薄命である。 | |
(3) ササクレヒトヨタケ 1999.6.28 この季節、常盤高校の体育館のわきに毎年でる。5、6年は続いているそうである。今年も連絡してもらった。カメラアングルをいろいろに変えて、たっぷり時間をかけて撮影する。まさに至福の時間である。じっと見ていると、一本足の番傘のお化けを連想する不思議なキノコである。 このキノコ、ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属に属し、短時日のうちに寿命を終え、最後はどろどろ に溶けてしまう。幼菌は食用になり、歯ざわりもよく、味もよいという。これと類縁のヒトヨタケは酒を飲みながら食べると悪酔い症状を呈するという。 | |
(4) テングタケ 1999.6.29 妖精が輪舞しているようなメルヘンの世界である。ただしこのキノコは毒キノコである。昔、北欧のある国にキノコ好きの王様がいて、専属のコックに毒キノコを料理させては食べていたが、ある日とうとう命を落としたという。その時のキノコがこのキノコではなかったかと勝手に思ったりしている。 この時期と秋の2回、針葉樹、広葉樹の林下に発生する。 | |
(5) アミガサタケ 1999.4.30 家のまわりの庭先や道端、それに不思議なことに山菜採りに行くとウドの叢のなかに生えていたりする。そんな時には家までカメラをとりに家まで戻らねばならない。このキノコは春にしか発生しないようである。 不思議な形をしている。人の脳を思わせる。ヨーロッパでは非常に好まれる食菌であるというが、日本では、少なくとも柏崎近辺では、一食分採るのに何平方キロメートルも探さなければならないだろう。ヨーロッパでは大量に発生するのだろうか。 | |
(6) カレバキツネタケ 1999.6.29 樹下に群生する中型キノコである。食用になるというが肉質は薄くて硬くてとても食べられそうにない。 キノコにはなぜかけものの名前がついたものが多い。思い付くままにあげてみると、サルノコシカケ、シシタケ、シカタケ、キツネタケ、オオキツネタケ、キツネノハナガサ、キツネノカラカサ、タヌキノチャブクロ、イタチタケ、ムジナタケ、ムササビタケなどなどがある。 |
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