柏崎の水(湧水・井戸・温泉・鉱泉・滝) |
当館発行の「ソフィアだより」第99号(2004年9月号)から第165号(2010年3月号)に掲載された「柏崎の湧き水 伝説を手がかりとして」「柏崎の水」をほぼそのまま再掲載しています。湧水や滝などの名称部分をクリックすると説明が表示されます。 >>掲載一覧を見る また、財団法人 新潟県環境衛生研究所 のWebサイトでは 「柏崎市湧水調査報告」 をダウンロードすることができます。これは、柏崎市内の湧水の科学的調査データや、湧泉の故事来歴に関する情報等を総合的に取りまとめたもので、ソフィアだよりも参考文献として使用されています。 |
軽井川の源泉付近 |
水は生命の源といわれるように、自然の生態系を維持していく上で欠くことのできないものといえる。飲料水・生活用水はもとより、農業・林業・水産業・工業など産業活動を支える重要な資源である。 しかし、近年生活水準が向上し、産業活動が高度化するにつれ、環境汚染、特に水質の汚濁が問題とされてきた。わたしたちは100年後の人達にきれいな水、豊富な水を残すために見つめ直す必要があるであろう。 “湧き水”の紹介の仕方としては、「岩石の割れ目や節理の裂け目から湧き出す“裂罅泉(れっかせん)”、湧き水が盆状の窪んだ池のような底から湧き出す“地上泉”、地層の間から浸み出すように湧き出てくる“浸出水”」(「水を科学する」)のように分類し、紹介していく方法も考えられるが、柏崎の湧き水について、科学的に取り扱った文献が特に見当たらない。ここでは、図書館資料によって紹介していくことを基本に置くので、とりわけ素朴な伝説・言い伝えが中心とならざるを得ない。また、泉・湧泉・泉水・湧水・清水・涌水・井泉・噴泉などを湧き出る水として総称してとらえることとする。 ただ、古記録や伝説に登場する湧き水の中には、現在涸れてしまった井戸や、汚濁された泉も少なくないであろうし、かつて飲み水、洗い物の水、農業用水などとして使い分けられていた湧き水も、その用途を変えていることも考えられる。諸々に出てくる“名水”と称する水が、その選考基準によって決して飲料水とは限らないように、ここに挙げる湧き水も、飲料水とは限らないことを付記する。 ところで、1985年に環境庁が調査した「名水百選」に、新潟県からは“龍ヶ窪の水”と“杜々の森湧水”の2ヵ所が選ばれている。また、この調査の一環として、新潟県環境保健部がまとめた「新潟県の名水」には37か所が収録されていて、柏崎からは椎谷の“お茶水の井戸”、清水谷の“出壺の水”、大久保の“御前水”の3か所が収録されている。この調査にあたっての選出範囲は各書の前書きを読む必要があるし、「名水百選」の“名水”とはどういう水かという選定基準については「名水を科学する」に詳しい。 |
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