算者 村山禎冶 使用和算資料 |
■村山禎治(むらやまていじ)
文政13年(1830)年生まれ、大正11年(1922)年没。幕末・明治の算学者。通称は保信(やすのぶ)、号雪斎(せっさい)、また、いばらめの算者さんと愛称されていた。
茨目(いばらめ)の村山原太夫(5代)と、さんの長男として生まれる。17歳の時、下田尻の黄金屋(こがねや)・植木彦吉(山口坎山門)の算学塾に入門。その才を認められて、小千谷の佐藤雪山道場に入門。免状を得て帰郷。安政6年、柏崎で算法塾を開き、「通機算法(つうきさんぽう)」・「垂題捷解(すいだいしょうかい)」・「日時計方位便法」を著す。後、柏崎県学校教師となる傍ら、木曽路・米山峠の測量などで活躍する。
村山家に残る安政6年の塾則に「稽術(けいじゅつ)は上達を専一とする。故に新古貴賎(しんこきせん)にかかわらず、一歩も進み候(そうろう)を上席とす…」とし、学の自由と平等をうたっている。「かしわざきのひと」より
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村山禎治と和算・天文関係資料(PDF133KB)
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「村山禎治―算数家。天保元年(1830年)3月12日に柏崎市茨目で生まれ、弘化3年(1846年)下田尻村黄金屋植木彦吉の門で算術を学んだ。嘉永3年(1850年)小千谷の佐藤虎三郎解記(雪山)に入門、免状を得た。安政3年(1856年)柏崎で門人の指導に当たった。文久3年(1863年)通機算法、元治元年(1864年)垂題捷解、日時計方位便法を著した。同2年試称を献上して苗字御免(みょうじごめん)、この年より縮布(ちぢみ)行商となり飛騨、美濃、尾張方面へ行商した。明治元年小千谷民政局出仕、3年柏崎県判任権小属、寺泊信濃分水掛(ぶんすいがけ)となった。4年柏崎県学校算術教師、同41年算書を大学へ修め、42年木盃を下賜(かし)された。大正4年算書を大学へ貸した。多数の蔵書があった。」越佐人物誌より
■新潟県指定有形文化財 村山家和算・天文学関係資料
平成14年3月29日、村山家和算・天文学関係資料(103点)は、和算が盛んだった新潟県の土地柄を伝える資料がまとまって残っていることが評価され、新潟県の有形文化財に指定された。 (新潟日報・朝日新聞の平成14年3月5日朝刊に関連記事が掲載されている)
・文献(97点)
書 名 | 書名よみ | 巻数 | 分 野 | 編著者 | 発行時期 | 分類・記号 |
気海観瀾 | きかいかんらん | 1 | 物理 | 青地林宗 | 弘化3 | 451 AO |
気海観瀾広義 | きかいかんらんこうぎ | 15 | 物理 | ボイス・川本幸民 | 嘉永4−安政5 | 451 B |
算法極形指南 | さんぽうきょくぎょうしなん | 3 | 和算 | 秋田鳳堂(義一) | 天保6 | 419 AK |
祠刹扁掲算法 | しさつへんけいさんぽう | 2 | 和算 | 馬場正統 | 文政13 | 419 BA |
算法新書 | さんぽうしんしょ | 1 | 和算 | 千葉胤秀(雄七)・長谷川寛 | 文政13 | 419 CH |
神壁算法(増刻) | しんぺきさんぽう | 2 | 和算 | 藤田嘉吉・藤田貞資 | 寛政8 | 419 FU |
続神壁算法起源 | ぞくしんぺきさんぽうきげん | 2 | 和算 | 広江永貞 | 天保4 | 419 HI |
要妙算法 | ようみょうさんぽう | 7 | 和算 | 堀池久道 | 天保2 | 419 HO |
掲媚算法 | けいびさんぽう | 2 | 和算 | 堀池久道 | 天保9 | 419 HO |
新編弧背術 | しんぺんこはいじゅつ | 1 | 和算 | 岩田広成 | 天保2 | 419 IW |
算法円理活嚢 | さんぽうえんりかつのう | 1 | 和算 | 加悦俊興(伝一郎) | 嘉永5 | 419 KA |
割円表 | かつえんひょう | 3 | 和算 | 森正門 | 安政5 | 419 MO |
算法地方指南 | さんぽうじかたしなん | 1 | 和算経済 | 村田恒光・長谷川寛 | 天保7 | 419 MU |
算法側円詳解 | さんぽうそくえんしょうかい | 2 | 和算 | 村田恒光佐十郎 | 天保5 | 419 MU |
算法天元録 | さんぽうてんげんろく | 3 | 和算 | 西脇利忠 | 正徳5 | 419 NI |
算法点竄手引草二編 | さんぽうてんざんてびきぐさ | 3 | 和算 | 大村一秀 | 天保12 | 419 O |
算法円理鑑 | さんぽうえんりかがみ | 1 | 和算 | 斎藤宜義・斎藤旭山 | 天保8 | 419 SA |
算法点竄手指南録 | さんぽうてんざんしなんろく | 15 | 和算 | 坂部広胖・馬場正督 | 文化7 | 419 SA |
社盟算譜 | しゃめいさんぷ | (上のみ) | 和算 | 白石長忠・池田貞一 | 文政9 | 419 SH |
算法楕円解 | さんぽうだえんかい | 2 | 和算 | 豊田勝義(伊三郎)・村田恒光 | 天保13 | 419 TO |
算法求積通考 | さんぽうきゅうせきつうこう | 5 | 和算 | 内田半吾(久命) | 天保15 | 419 UC |
続算学小筌 | ぞくさんがくしょうせん | 1 | 和算 | 牛島盛庸 | 天保3 | 419 US |
匂股致近集 | こうこんちきしゅう | (下のみ) | 和算 | 若杉多十郎 | 寛政11 | 419 WA |
算法円理冰釈 | さんぽうえんりひょうしゃく | 2 | 和算 | 山口言信他 | 天保8 | 419 YA |
算法助術 | さんぽうじょじゅつ | 1 | 和算 | 山本賀前 | 天保12 | 419 YA |
算法円理三題 | さんぽうえんりさんだい | 1 | 和算 | 南亮方・佐藤雪山 | 弘化3 | 419 サト(郷土資料) |
算法点竄二百題 | さんぽうてんざんにひゃくだい | 1 | 和算 | 村山準平 | 明治11 | 419 ムラ(郷土資料) |
平天儀図解 | へいてんぎずかい | 1 | 天文 | 巌橋嘉孝 | 享和2 | 440 IW |
渾天新語 | こんてんしんご | 2 | 天文 | 河野通礼 | 文化6 | 440 KO |
和蘭天説 | わらんてんせつ | 1 | 天文 | 司馬江漢 | 寛政8 | 440 SH |
授時暦経諺解 | じゅじれききょうげんかい | (3巻のみ) | 暦 | 亀谷和竹 | 正徳元 | 449 KA |
弘化甲辰元暦<写本> | こうかこうしんがんれき | 8 | 暦 | 小出光教 | 449 KO | |
蘭垤略歴<写本> | らんでりゃくれき | (2,3,4) | 暦 | 小出光教 | 449 KO | |
算法海路安心録 | さんぽうかいろあんしんろく | 1 | 航海・和算 | 坂部広胖 | 文化13 | 558 SA |
・測量器具類(6点)
星天儀<拡大画像> 渾天儀 阿孤丹度
象限儀 分度規 〔羅針盤〕
測量器具類 | 備 考 |
星天儀(せいてんぎ) | 箱書:天文学士村山禎治 |
渾天儀(こんてんぎ=中国等を代表する観測機器) | 箱書:天文学士村山禎治 |
阿孤丹度(あこたんど) | 箱書:天文地理測量学士 村山禎治保存蔵 |
象限儀(しょうげんぎ=西洋系の観測器 主として天体の高度を測定するもの) | 箱書:クワトロン 雪斎蔵 |
分度規(ぶんどき) | |
〔羅針盤(らしんばん)〕 |
全国の 星天儀・渾天儀 所蔵場所一覧 | |
天球儀(星天儀)の 所蔵場所一覧 | 渾天儀の所蔵場所一覧 |
※ 富山市科学文化センター の「江戸時代の天文学」より |