石川峠 |
←石川峠の桜並木 | |||||||||||||||||||||||
柏崎市と小国町を東西に分かち、弥三郎婆の伝説や八石城跡を残す八石山。石川峠は、この八石山を越え中鯖石の石川と小国町八王子(旧山横澤村)を結ぶ峠道の、標高約350mのところにある。 かつてこの道は、年貢米や越冬用の塩、春のイワシ等の物資輸送のために利用された。また、作神様として名高い米山薬師へのお詣りの人々の往来もあったという。 道中には数体の地蔵が安置され、峠には、他から災難が入ってこないよう植えられた榎の木と2体の石碑が建っている。旅人はこれらを道しるべに、または心の支えにしたのであろう。峠の頂に立つと、遠く日本海に佐渡を、眼下に鯖石郷を、そして間近に米山、黒姫山を望むことができる。元近衛師団長飯田貞固中将(山横澤村出身)も幼少の頃、北条の藍沢塾に通う道すがらこの風景を眺めていた。 昭和32年、勾配の緩和と道幅の拡張のため、村の人々の協力もあり、旧峠の約500m南に新峠が開削された。これにより自動車の通行が可能となり、多大な労力が必要とされた従来の峠道に比べ、格段に便が向上した。この道が山横澤村民にとって、古来より生活、文化両面において重要な役割を担っていた事を考えると、計り知れない喜びだったことは想像に難くない。現在、この峠道には多数の桜が植えられ、春ともなれば見事に咲きほころぶ桜並木を目にすることができる。 |
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