■ 編 集 後 記 ■
青 木 恪 治
20世紀は世界の歴史上でも特筆すべき時代でした。私たちは人生の大部 分をこの世紀に生き、戦争と平和というものの姿をつぶさに体験しました。 私たちはその実態を後世に伝えるべき自ずからなる責任があると思います。
終戦の1945年8月15日以降、わが国は半世紀以上におよぶ平和な歳月
を過ごすことができました。この平和の持続によりもたらされたもの。そ
れは わが柏崎市ではこの二つの人類の夢達成の上に新しい高齢者文化を創出し ようと民間、行政手を携えつつ早くから構想に取り組みました。それがこの 陽だまり事業であり、それに協力する高齢者学習グループ「NET−陽だま り」の誕生であります。この「私の8月15日」もそうした思いからメンバ ー自らの体験を後世に残すべく取りかかった活動の一環であります。 ここに掲載した17人の体験が、それぞれの人にとって、大変な事であっ たにも関わらず、戦時下という異常事態の下では、実に日常的な風景として 見られていたことであります。それが戦争というものの恐ろしさであります。 単なる個々の人の体験記に止まらず、その時代の社会的雰囲気なども読み取 ってほしいと願っております。 この手記はすべて実体験に裏付けられたものだけに読むたびに新たなる感 動を覚え決して風化しないと思います。この記録をどのような形で残してい くか、読まれた方々の感想やご意見をお聞きしながら今後に対処して行く予 定であります。
この企画には多くの方々のご助言、ご協力がありました。ありがとうござ
いました。編集世話人としては次の4人が当りました。 青木恪治、小山登志雄、菅沢重蔵、前沢宣治
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