弟子入りを赦してくれる良寛

「それでは、弟子入れを許してくれたんですね。
ありがとうございます。」
市内は満面(まんめん)笑顔(えがお)で師匠となる良寛さんに 深々と頭を下げて、厚くお礼をいいました。
市内(いちない)は遍澄(へんちょう)と名乗っても、 山に入っては薪を拾い、 谷に下っては水を汲み、 そのあいまにはまた 托鉢にも出掛けたりして、 良寛さんの世話を一生懸命やりました。
そんな市内(いちない)に感謝して 良寛さんは次のような歌を詠んでいます。

君と我れ僅かの米ですんだなら
  両くわん坊主と人は言ふらん

そして今後のことは、君にまかすといって、

今よりは納所は君にまかすべし
  二合三合わけのよろしき


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