遍澄が描いた良寛さんの像(2)

柏崎市の常福寺に保存されている良寛像は、 晩年の良寛和尚を陰(かげ)から支えたといわれる 遍澄(へんちょう)和尚が描いた絵です。
中村家の未公開の肖像とやや顔の形がやや違っています。
しかし、良寛の実弟である由之(ゆうし)の署名もあることから 中村家のものが良寛に似ているのではないかとも思われます。
良寛和尚の風貌(ふうぼう)を伝える伝記は後援者の一人、 解良栄重(えいしげ)(牧ヶ花地主)が「良寛禅師奇話」に 『隆準ニシテ鳳眼』と書いています。
鼻が高く、切れ上がった細長い目の人であったらしい。
近世の良寛和尚像に決定的な影響を与えているのは、 画家・安田靫彦氏で、蔵雲編の漢詩集口絵がもとになっているらしい。
中村家のものはその雰囲気を伝える部分があるといわれています。
(越後タイムス「平成六年五月二十七日より」)


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