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語り継ごう柏崎の知恵ぶくろ (2)

 ■4章■ 伝説・昔話  

柏崎に伝わる「昔話・伝説」が今や忘れ去られようとしています。おじいさんおばあさん、両親から子へ孫へ、 そのまた次の代へと語り継いでいきたいお話です。 祖先の温かい思いが伝わってくるように思います。

▲ 頓入上人(椎谷) ▼

挿絵ぞうり

 観音岬には「椎谷の観音さん」と呼ばれる名高い観音霊場がある。
 このお堂への急な坂道の中程の丘の上に、頓入上人のお墓がある。
 今から二百年ほど昔、正明寺村に、清八という男がいた。大男で力持ちその上乱暴者なのでみんなを困らせていた。
 村人達は相談して、ある祭りの晩、酒に酔いつぶれた清八を、縄で縛り上げ池にほうり込んだ。しかし、清八は、不思議に助かった。清八は、思うところあってか、観音堂にかけ上がり、ここで髪を剃り、出家して、名を頓入と改めた。
 当時、堂への坂道は、急で石段もなくお参りの人々は、ひとく難儀をしていた。これを見た頓入さんは「私が石段を築いて、沢山の人々の難儀を救おう。過去の罪ほろぼしに。」と固く誓った。
 それからというもの、頓入さんは、毎日毎日海に行っては石を削り、それを運んで石段を築いた。急な坂道を、重い石をかついで登るのは大変なことだ。頓入さんは、雨の日も、吹雪の日も、炎天の日も、休まず造り続けた。
 頓入さんの熱心さに、村人達が「わしらにも手伝わせてくだされ。」と申し出たが「お志はありがたいが、この仕事は、私一人でやらせて下され。人の意志がとこまで挫けぬものか知りたい。」と、ことわった。
 こうして十八年の月日がたち、ついに三百段の石段が完成した。大事業をなし遂げた頓入さんは、石段の脇に小さな穴を掘り、その中でお経を唱えながら静かに入定なさった。
 頓入という名は「ただちに仏の世界に入る」という意味である。
 乱暴者だった清八が、九死に一生を得たことによって、自分に与えられた命に気付き、新しい生き方に入ったことは、名前通り、ただちに仏の世界に入ったということだ。
 仏の世界とは、頓入さんが、誓いを立てて、人々のために、石段を築いた日々のことである。

以上 柏崎市老人クラブ連合会 編集・発行 「語り継ごう柏崎の知恵ぶくろ」2003/7/31より    <<前頁へ | 次頁へ>>


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2006/4/18 UP 作成: NET・陽だまり
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