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語り継ごう柏崎の知恵ぶくろ (2)
柏崎に伝わる「昔話・伝説」が今や忘れ去られようとしています。おじいさんおばあさん、両親から子へ孫へ、 そのまた次の代へと語り継いでいきたいお話です。 祖先の温かい思いが伝わってくるように思います。
昔、鯨波に玉屋徳兵衛という人がいた。北国街道を通る旅人が疲れて休むための茶店を始めた。大変繁昌して大金持ちになった。
さて、徳兵衛さんは、働きすぎて身体が疲れ、家人にすすめられて松之山の温泉に湯治に出かけることになった。でも出かけるには、この大金をとこへかくしていこうか考えた末、庭の大きな椿の木の下に大きな穴を掘り、お金を入れたカメを埋めた。ああこれでよい。誰も知らないと安心して出かけた。
当時は電車もバスもない時代、馬にパッカパッカと乗って朝早く出かけた。
温泉に入ってのんびりと幾日か過ぎた時、どこからか唄が聞こえてきた。
「越後鯨波、玉屋の椿よ、枝は白銀ヤレ葉は黄銀」と。びっくりした徳兵衛さんは、急ぎ早馬に乗って帰ってきた。庭の椿は夕日を浴びて美しく咲いていた。
埋めたカメの中の小判はなくカラッポ、ただぼんやり立ちつくした徳兵衛さんは、夕日に輝く金波、銀波の波間に沈んで行ったとさ。
今でも玉屋さんの庭には、何代目かの椿が春には花を咲かせてその昔を語っているかのようだ。鬼穴の岩の先に佐渡ケ島を見渡すところ、平らな岩が玉屋敷といって残っている。
以上 柏崎市老人クラブ連合会 編集・発行 「語り継ごう柏崎の知恵ぶくろ」2003/7/31より <<前頁へ | 次頁へ>>
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2006/4/18 UP 作成: NET・陽だまり